下垂体系のホルモン異常と代謝異常
下垂体機能低下症
下垂体機能低下症は、脳の下垂体から分泌されるホルモンの分泌が異常に低下するものである。
原因 Cause |
下垂体から分泌される、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、成長ホルモン、プロラクチン等の分泌が極端に低下することで起こる。 |
---|---|
症状 Symptoms |
性腺刺激ホルモン…ひげが伸びない、インポテンツ、無月経・低血糖・低ナトリウム血症・急性副腎不全 |
治療 Treatment |
不足ホルモンを補給する。 |
成長ホルモン分泌不全性低身長症
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、下垂体分泌の成長ホルモンが分泌低下となって起きるものである。
原因 Cause |
下垂体腺腫、視床下部腫瘍等が原因となる続発性のものと、原因不明の特発性がある。原因不明が多い。 |
---|---|
症状 Symptoms |
身長が極端に伸びが悪い。その他の機能は正常である。 |
治療 Treatment |
遺伝子工学によるヒトの成長ホルモン注射をする。 |
糖原病
糖原病は、酵素の異常で、グリコーゲン(糖原)がブドウ糖に変成せずに、身体に過剰に蓄積されるものである。
原因 Cause |
ブドウ糖をグリコーゲンに変える酵素の、先天的な欠損や機能不全が原因で起こる。とくに肝臓の酵素欠損が多い。骨格筋や肝臓を中心に、全身にわたり、グリコーゲンが過剰蓄積する。 |
---|---|
症状 Symptoms |
肝臓酵素の欠損……腹部膨張、けいれん 骨格筋酵素の欠損…運動筋の脱力、痛み 全身性のもの………筋力低下、筋萎縮 |
治療 Treatment |
鎮痛剤で痛みを抑制する。決定的な治療法は確立していない。 |
ヘモクロマトーシス
ヘモクロマトーシスは、小腸の鉄吸収が過剰になり、臓器に溜まって機能障害を起こすものである。
原因 Cause |
貧血、肝疾患、大量飲酒、輸血等が原因となる続発性と、原因が不明の特発性のものがある。 |
---|---|
症状 Symptoms |
皮膚の色素沈着・糖尿病・肝硬変・心不全・不整脈 |
治療 Treatment |
原因疾患の治療をする。血液の抜き取りをして、鉄代謝異常を治療する。 |
ポルフィリン症
ポルフィリン症は、ヘモグロビンを構成する生体色素のポルフィリンが異常に増加するものである。
原因 Cause |
ポルフィリンが異常に増加して、尿として大量排泄されたり、体内に蓄積されて起こる。 |
---|---|
症状 Symptoms |
日焼けしやすくなる・水泡・じんましん・便秘・吐き気・不眠 |
治療 Treatment |
血を抜き取るのが有効である。 |